
石見銀山旧記には石見銀山を「福の地」と呼んだ記述があるそうです。
世界が銀を求めていた16世紀、ここ石見銀山はその中心にいました。世界の産出銀の三分の一は日本の銀で、そのほとんどが石見の銀だったそうです。
当時、ポルトガルは石見の銀を求めて莫大な利益を上げ、日本では戦国時代から争奪戦が繰り広げられ、毛利元就や徳川家康がこの地を治め繁栄をもたらしました。また、ここ銀山に暮らしていた者にも、裕福な暮らしがあった事が残されています。
皆に富や幸福をもたらした石見の銀鉱石は、福(富)を呼ぶとして「福石」と名付けられ、約400年間に渡り皆の暮らしを支え、経済や文化にも影響を与えて来ました。今は採掘する事の出来ない福石ですが、静かに眠る、銀が採れた仙ノ山に向かって願い事を掛ければ、願いが叶い「福」を呼ぶことが出来ると言われています。